インドネシアのジャカルタやマレーシアのクアラルンプールといったイスラム教徒が多数を占める都市部では野良犬を見かけることは少ないですが、多くの東南アジアの地域では野良犬が珍しくありません。
インドネシアでは90%近くの方がムスリムなのですが、バリ島ではバリヒンドゥーが占める割合が高く、犬が沢山います。
そして、バリの人々は犬を愛しています。
本記事では犬を飼っていた愛犬家である筆者がバリ島で犬に襲われた話とその対処法について解説していきます。
まず、結論から言ってしまえば「逃げると追われる」ということです。
中型犬以上の大きな犬が吠えながら向かってくると、大きな声をあげたくなったり、走って逃げたくもなりますが、一番やってはいけない行為です。
バリでは犬に襲われることも

ニュース:犬に追われ井戸に落ちた英国人男性、6日後に救助 バリ島 (AFP)
先日、こんなニュースを目にしました。
インドネシアのバリ島にて犬に追われたのち、井戸に落ちて足の骨を折って身動きが取れなくなり、その6日後に牛に餌をやろうとしていた地元住民が発見し、救助されましたそうです。
私の経験談
2017年、筆者が友人とバリ島に行った際、スミニャックの辺りで迷子になり、Google Mapの指示するとおりに住宅街の中へと入っていくと、突如、犬が家の塀を越えて飛び出してきました。
私はすぐに動きを止めましたが、友人は走り出してしまい、犬が躍起になって追いかけていきました。
大通りに出た友人の姿はすぐに見えなくなりましたが、犬はすぐに引き返してきました。
私は友人が走っていた方向に歩を進めると、心配したインドネシア人が英語で話しかけられているのにも関わらず、動揺して日本語で受け答えしている友人の姿が見えました。
彼は大通りの方へ飛び出したのですが、その時に車やバイクが走っていなかったのが不幸中の幸いで、怪我無く済みました。
その他にもジョグジャカルタでインドネシア人の家族が、突如、路地裏から飛び出してきた犬に追い掛け回されている光景を目の当たりにしました。
実はこのとき筆者はその家族の前を歩いていて、吠える犬に追いかけられながら私の横を通り過ぎて行ったのですが、私は即座に動きを止めると、犬は私の前で数秒間いきり立って吠えてきましたが、すぐに落ち着きを取り戻し、ゆっくりとその場を去ると犬もいなくなりました。
犬に襲われそうになった時の対処法
- 驚いて大声をあげない
- 急に走って逃げない
- 背を向けない
- 戦おうとしない(複数の野犬の群れに囲まれた場合は除く)
犬に襲われそうになったら落ち着いて動きを止め、犬が大人しくなってから、ゆっくりとその場を去るようにしましょう。
そして、その場から立ち去るときに背を向けてはいけません。
また、犬が人を追いかけるところはインドネシアだけで2回、目撃しましたが犬は全力で追いかけてはいません。
というのも、小型犬のモフモフしたポメラニアンという犬種(インドネシアで人気の犬種です)ですら、50メートルを5~6秒で走るのです。

人間だと50メートルの日本記録は5秒75(朝原宣治氏)、世界記録保持者のウサイン・ボルト氏ですら5秒47です。
犬の世界記録は分かりませんが、ドックレースの結果を見た限りでは4秒台がたくさんいました。
人間を恐怖に陥れ、その場から逃げ出したくなるほどのサイズの犬であれば、全力をだしたらボルト氏ですら簡単に捕まってしまうはずなのです。
大半の犬は自分の縄張りから人を追い出したいだけであって、傷つけることが目的ではないのです。
道路に飛び出して車やバイクと衝突したり、井戸に落ちたりと二次災害に繋がってしまう可能性があり、そちらの方が危険です。
インドネシアは非常に運転の荒いドライバーが多い上に、歩道が整備されているところが少なく、いきなり道に飛び出したら危ないので注意しましょう。
歩道に穴が空いていたり、凸凹していたり、コンクリートの中から鉄の棒が飛び出ていたり、蓋がされていなければ柵もない巨大な側溝があったりするので、怪我にもつながる恐れがあります。
基本的には戦うのもNGです。
ただし、複数の野犬に囲まれた場合には話は別です。
インドネシアではさすがに「複数の野犬に囲まれて襲われた」という話は聞いたことはありませんが、もし、野犬に囲まれた場合には戦う他ありません。
野犬に囲まれた場合にはボスと思われる犬に対して攻撃をし、撤退させるのがベストです。
そうならないためにも、理想としては、あらかじめ犬の縄張りを把握して、それを回避することです。
いきり立った犬の気配を察知したら、その先の道を通るのをやめるか、大回りすることをおすすめします。
実際に犬にかまれた時の対処法

外務省によると、狂犬病の報告はジャワ島以外のバリ島やスラウェシ島からの報告がほとんどだそうです。
つまり、バリ島では狂犬病のウイルスに感染した犬や猿、コウモリなどの動物がいるという事です。
海外邦人医療基金によると、狂犬病はウイルスに感染した動物に噛まれてから15~30日以内に発生すると言われています。
※個人差が激しく、7~10年後に発症することもあるそうです。
発症した場合の致死率はほぼ100%ですが、ワクチンを接種することで発症を防ぐことが出来ます。
噛まれたら患部を水で洗い流したのち、ただちに現地の病院を受診し、抗狂犬病ガンマグロブリン(RIG)と暴露後ワクチン接種を受ける必要があります。
噛まれたらすぐに病院へ行きましょう。
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