インドネシアのインターネット検閲・規制の現状と歴史

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インドネシアではインターネット検閲・規制が行われていますが、当エントリーでは、その現状と歴史について紹介いたします。

大雑把に説明すると、インドネシアでは成人向けコンテンツ・政治がらみの問題・薬物や武器の売買や製造などの違法コンテンツに、ネット検閲・規制がかけられる事が多いです。

当エントリーでは、過去から現在に遡ってインドネシアのインターネット検閲・規制について紹介し、その対策(解決策)を提示いたします。

なぜインドネシアではインターネット検閲・規制が行われるのか

インドネシア政府の言い分では、「インターネットは経済発展の為の手段としては肯定的にみているが、情報への容易なアクセスが与える影響には懸念を強めている」という事で、フェイクニュースの拡散や、宗教に対する侮辱、成人向けコンテンツなどが与える影響を危惧しているという事が分かります。

インドネシアにおけるインターネット検閲・規制の対象

インドネシアでのインターネット規制について説明するのであれば、以下の2つの事柄に分けて説明するのが分かりやすいと思います。

成人向けコンテンツ

政治・宗教がらみの問題

この他にも、麻薬・武器の売買や製造法に関するものなども該当しますが、これらは完全なる違法サイトなので、説明は割愛させていただきます。

インドネシアのインターネット検閲・規制の歴史

続いてインドネシアのインターネット検閲・規制の歴史の流れを見ていきたいと思います。

2007年

2007年から2008年にかけて、インドネシアではいくつかのウェブサイトのブロックが始まりました。

歴史はここから始まります。

2008年

2008年にインドネシア政府はIPS(インターネット・プロバイダー・サービス)に命じ、Youtubeをブロックいたしました。

これは、「Youtubeにアップロードされた預言者ムハンマドをあざ笑うかのような動画に対する削除要請が適切になされなかったため」とされています。

2008年3月に政府はITE法(情報・電子取引に関する法律)を成立させ、MCI(情報・通信技術省)の権限を拡大し、オンラインコンテンツの検閲を可能にしました。

2010年

2010年には預言者ムハンマドをネタにした動画がFacebookにアップロードされ、その際もインドネシア政府はIPSに対し、対象のアカウントをブロックするよう呼びかけましたが、世論などからの強い反発の声が上がり、アクセスは可能なままでした。

2010年の初頭にはマルチメディアコンテンツに関する規制を発表しました。

これにより、ポルノやギャンブル、フェイクニュースなどに規制がかけられる事となりました。

2010年6月の時点でITF法に基づいて起訴された例は少なくとも8件にのぼり、ライターなどを中心に警戒感が強まりました。

有罪判決を受けた者は最高で6年の懲役か、10億ルピア(約700万円)以下の罰金刑となります。

2017年

Telegramは「過激派テロリストがプロパガンダを広めるために使用した」とし、ブロックされました。

しかし、その後、政府との合意により、Telegramのブロックが解除されました。

※Telegramとは、ロシア発祥のSNSでメッセージが暗号化され、かつ設定した時間でメッセージが消去でき、セキュリティ性が非常に高いのですが、その反面、特殊詐欺や薬物の取引など犯罪に利用されることがあります。

2018年

Vimeo、Tumblr、Redditなどは「ヌードを含むコンテンツなどがある」として政府に非難され、検閲されていたものの、2019年には廃止されました。

2019年

2019年5月22日、ジャカルタでの暴動後にデマやフェイクニュースの拡散を防ぐためにFacebook、WhatsApp、Instagramが3日ブロックされました。

ブロック中にFacebook、WhatsApp、Instagramなどへのコンテンツにアクセスを試みようと、インドネシアでVPNの使用が急速に広まりました。

2019年8月22日のパプアの暴動の際にも、事態が収束するまではパプアの通信データとインターネットを遮断するという事態にまで悪化いたしました。

時を経るにつれて、規制はより厳しくなっているように感じます。

インドネシアのインターネット検閲・規制の現状

インドネシアにおけるインターネット検閲・規制はシステマティックに行われているものではなく、一貫性がないと言われております。

検閲・規制は以前にも増して強くなっているように感じますが、これはインドネシアのイスラム化が加速していることや、2019年9月に起きたパプア人主導による抗議活動、5月の暴動など、さまざまな要因による影響からのことでしょう。

インドネシアはVPNアプリダウンロード数が世界1位(年間7550万回)

Global Mobile VPN Report 2019には2018年から2019年にかけての1年間でダウンロードされたVPNアプリ数の世界の国別のダウンロード数が掲載されていました。

そのレポートによると

1位インドネシア【7550万回】

2位アメリカ合衆国【7460万回】

3位インド【5700万回】

4位UAE(アラブ首長国連邦)【3060万回】

5位ブラジル【2350万回】

となっており、これに6位サウジアラビア、7位トルコと続きます。

この上記7ヶ国の中でアメリカとブラジルを除く全ての国で厳しいインターネット検閲が行われています。

中でもサウジアラビアのネット検閲はずば抜けて厳しいです。

中国のインターネット規制も大変、厳しいのですが、統計データがないためランク外です。

アメリカは個人情報保護の観点からVPNを使う方が多いようです。

※日本はたったの250万回

世界で1番VPNアプリがダウンロードされ、必要とされているということが、いかにインドネシアのインターネット検閲・規制が、不便なネット環境を作り出しているのかを物語っています。

インドネシアで使えるオススメのVPNサービス

インドネシアのインターネット規制対策としてオススメなのが、セカイVPN です。

筆者はインドネシアに来たばかりの頃、「無料のVPNを使えばいいかな」と考えておりました。

しかし、実際に現地で生活し始めて無料のサービスを活用していると、「初心者には設定が難しい」「通信速度が遅い」「セキュリティ面が不安」など、様々な要因から有料のVPNと契約することにしました。

その中でも私がセカイVPNを選んだ理由としては

5ヶ国(日本・アメリカ・ドイツ・台湾・韓国)の中からIPアドレスを選択して利用可能

3台の端末と同時接続可能(1人が契約すれば家族や友人らと共有可能)

日本の会社なので、サービスが日本クオリティ

2ヶ月間の無料お試し期間アリ

というところが挙げられます。

実際に筆者が使っているお気に入りのサービスではありますが、有料のサービスともなると、「もし弊ブログで読者様の趣向に会わないサービスを紹介してしまった場合、責任が取れない」という問題が生じてしまいます。

ところが、セカイVPN には2ヶ月間の無料お試し期間があるので、安心して紹介することが出来ます。

以下の記事はVPNやセカイVPNのサービスや登録・解除方法について掘り下げたものなので、興味のある方は併せて読んで頂ければ幸いです。

※他記事で紹介しているエポスカード(記事はこちら)、Booking.comカード(記事はこちら)は年会費永年無料の海外旅行保険付きのクレジットカード・サービスです。

まとめ

以上が、インドネシアにおけるインターネット検閲・規制に関する大まかな紹介となります。

インドネシアに出張や旅行に行かれる方や、これから移住される方のお役に立てれば幸いです。

私たちにインドネシア政府の方針を変更させる力はないかもしれませんが、VPNに接続すれば、日本にいる時とほとんど変わらないネット環境を手に入れられます。

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