ジャカルタで洪水が頻発する理由と注意すべき点【カリマンタンへの首都移転にも大きく影響】

インドネシアの基本情報

ジャカルタの季節は雨季と乾季の2つがあります。

雨季は11月~3月乾季は4月~10月となっており、雨季には洪水が頻発します。

カリマンタンへの首都移転にも大きく影響を及ぼす(数十年のうちにジャカルタ北部の大部分は水没するとも言われています)ほどの被害を被るジャカルタの洪水について、その理由と注意点を掘り下げていきます。

ジャカルタで洪水が頻発する理由

地盤沈下・海面上昇

世界経済フォーラムによると、ジャカルタは「海面の上昇と地下水の過剰汲み上げのために、世界で最も速く沈むであろう都市」だそうです。

地盤沈下している理由の1つに、「ジャカルタ市民の約60%が活用している」と言われるほどの異常なまでの地下水の汲み上が挙げられます。

以下のBBC News Japanの公式YouTubeアカウントがアップロードしている動画が非常に分かりやすく説明しており、時間も1分ちょっとなのでオススメです。

ジャカルタが世界で最も速く沈下している大都市の1つになった理由

加えて、地球温暖化による海面上昇も影響しております。

関連して、インドネシアの飲み水事情が気になる方は、以下の記事を読んでください。

ゴミによる下水管や水路の詰まり

インドネシアの環境管理庁はジャカルタの河川の71%が重度汚染、20%が部分的汚染、9%が軽度汚染だと分類しました。

つまり、ジャカルタに流れている川は、全て汚染されているということです。

筆者が以前、住んでいたジャカルタのアパートの近くにも川がありましたが、酷い臭いを発し、かつ、ゴミが川に流れているのが散見されました。

街中にある側溝などはもっと酷く、水面がゴミで覆われている個所もあります。

ゴミによる下水管や水路の詰まりが洪水に影響しているという事実は、当地に住んでいる方や旅行で訪れたことのある方は、肌感覚で感じていると思われます。

通勤途中では毎朝のように側溝の清掃を行っている姿を見かけます。

森林伐採

森林土壌があれば大量の雨水を貯水することが出来るのは事実です。
そして、恐らく森林伐採が地盤沈下に影響しているのも、事実だと思います。

しかし、この記事を書くにあたって何本か「森林伐採と洪水」がテーマの論文を読んだのですが、「森林が洪水を防ぐ」などといった過度な期待はよせない方が良い、という事が分かりました。

2020年の大洪水の際には、南部の丘陵地の大規模な森林伐採が原因だと、ジャカルタのアニス知事が批判されましたが、「ゴミのポイ捨てをしない」、「清掃活動をする」などのアクションを起こした方が、効果は高そうです。
(ジャカルタは非常にゴミのポイ捨てが多いです)

気候変動

雨の写真

近年、気候変動により、洪水の原因となる大雨が増えているそうです。

(地盤沈下は別にしても)海面上昇も気候変動によるものが大きいので、これは当然と言えば当然の話です。

それに対し、政府は軍用機で塩化ナトリウムを散布し、ジャカルタ首都圏の西側にあるバンテン州にて人工雨を降らせ、対策に講じているそうです。

ジャカルタの大洪水の歴史

1960年の洪水

ジャカルタの中華街・Grogolで膝から腰にかけて浸水するほどの洪水に見舞われました。

1996年の洪水

5000ヘクタールの土地が浸水した大規模な洪水が起きました。

2007年の洪水

インフラの損害と国庫収入の減少による損害の合計は、少なくとも5.2兆ルピアにも達し、19万人が洪水関連の病気で倒れ、80人が死亡したと言われています。

この時、ジャカルタの総面積の70%が浸水しました。

2013年の洪水

2013年1月15日の大雨の際に、ゴミや瓦礫で水路が詰まった結果、大洪水が起き、ジャカルタの中心部だけでなく、西ジャワやバンテン州などにも影響を与えました。

同年、1月17日には推定で20000人が避難したと言われています。

2020年の洪水

2020年1月1日、一晩中降った大規模な豪雨の影響で、ジャカルタとその周辺地域が浸水し、地滑り、低体温症、溺死、感電死などにより、少なくとも66人が死亡したと言われています。

これにより、安全上の理由から意図的に停電状態にしました。

さらに、ハリム国際空港の滑走路が水没し、閉鎖されました。

筆者は、1月の記録的な大洪水の際には、ロンボク島のギリ・トラワンガンとマタラムにいたため、運良く回避することが出来ましたが、2月の大洪水にはもろに巻き込まれてしまいました。

2月の洪水では主要な道路のいくつかが封鎖されました。
筆者のアパートの前の道路も、場所によっては水が成人男性の膝の上の辺りまできていました。
(筆者が歩いたわけではなく、あくまでベランダからの目視ですが)

洪水の「頻度」も「被害の大きさ」も年々、悪化する一方

年々、進む地盤沈下と海面上昇、そして増える雨

数十年後は北ジャカルタの殆どの地域は水没すると言われている中で、間違いなく今後も洪水が増加し、被害も拡大すると思われます。

この事態を鑑み、政府は首都をカリマンタンに移すための、1つの重大な指針としてジャカルタ水没をあげています。

ジャカルタにいるときに洪水が起きた場合の注意点

もし、ジャカルタにいる時に洪水が起きたらどうすればいいのか?

ベストな解答は「家に引きこもり、外に一歩も出ない」です。

しかし、それが難しい場合もあると思います。

外に出る際は、極力、路上を歩かないことが理想ですが、必要に迫られて「ホテル近くのコンビニに行く用事がある」などの場合、靴を履くことを心がけましょう。

筆者も「洪水の時は必ず靴を履く」ようにしているのですが、現地の友人からは「何で靴を履いているんだ???」と笑われたりします。

しかし、予防接種をしていない方は、錆びた釘などを踏んで破傷風になるかもしれませんし、傷口から雑菌が入って足が膿んでしまう可能性もあります。

また、東南アジアに来たことがない方はビックリするかもしれませんが、インドネシアは路上の至る所に穴が開いていたり、陥没していたりします。

現地の方は須らく、そういった欠陥がどこにあるのかを把握していますが、観光客ともなれば、そんなことはつゆ知らず、足をとられてしまうかもしれません。

靴を履いていれば万事OKというわけではありませんが、被る被害を最小限にとどめることが出来ます。

靴は必ず履くように心がけましょう。

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